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~時事小窓から~ 第一回「平成のGDPから見る、今の日本」

2018.11.08

・日本のアジアでの存在感は1/3に低下!?

・東京都のGDPはインドネシア1ケ国分にも匹敵する

・民間消費支出の多い日本。固定資本形成が多い中国。

元号「平成」も残り半年をきりました。本コラムでは2回にわたり、それぞれ「GDP」、「企業」という切り口で平成の30年間をおおまかに振り返ってみたいと思います。

平成のGDPは、どのように推移したか

日本の名目GDP(以下、「GDP」という)は平成元年(1989年)の421兆円から平成28年(2016年)537兆円となり、金額では27.5%、CAGR(年平均成長率)0.9%の成長、平成30年は550~560兆円になると推測されています。(図1)
平成3年(1991年)のバブル崩壊以降も緩やかながらGDPは増加していましたが、山一證券等が破たんした平成9年(1997年)の翌年から「失われた」20年を迎えます。その後の平成20年(2008年)のリーマンショック、平成23年(2011年)の東日本大震災を経て、500兆円に戻した段階にあります。

GDPから見た世界における日本の位置

さて、平成も終わりに近づいた平成28年(2016年)にようやく平成9年(1997年)のGDPを超えましたが、その間にそれまでの世界の中における日本の位置づけが色々と変化しました。

図2の通り、米ドルベースのGDP比較では、1位米国との差は平成3年(1991年) の1.85倍から平成28年(2016年)には3.77倍にまで開きました。更に平成22年(2010年)からは中国に2位の座を奪われてしまいました。しかも、その差は急拡大しています。

絶対額としては、米国に大きな差を開けられ、中国にはGDPを一気に抜かれてしまった日本、世界のGDP総額に占める割合が平成の30年でどのように推移したかが図3となります。世界のGDP総額に占める日本のシェアは平成7年(1995年)の17.5%がピークで、その後ほぼ右肩下がりでシェアは減少し、平成27年(2015年)には5.9%となり、プレゼンスは大きく低下しました。

また図4の通り、アジア圏における日本のGDPシェアは、平成元年(1989年)の67%から平成28年(2016年)で21%とおおよそ3分の1と大幅にシェアが縮小しています。

ここまでGDP絶対額、世界やアジアにおけるGDPシェアを振り返ってみました。

ここからは、日本の都道府県別GDP(県内総生産)と世界各国GDPとを比較してみます。表1の通り、東京都はインドネシア、愛知県、大阪府はベネズエラとエジプトの間、神奈川県はアイルランド、パキスタン、埼玉県はチェコとカザフスタンと同等程度のGDPとなっています。日本におけるGDPが最も高い主要5都県では、それなりに聞き及びのある一国家に匹敵するGDPとなっており、合算した日本のGDPが世界で3番目に大きいということも事実として存在します。

GDPを構成する支出項目には、国によって違いがある

ちなみに日本のGDPに大きく寄与している要素は、民間最終消費支出が最大であり、内需がGDPを支えていることが分かります。(図5)

世界主要国とのGDP構成比の違いを比較してみますと図6の通り、米国は民間最終消費支出の寄与がより大きく、中国は総固定資本形成が目立っており、経済2大国のGDPの構成に大きな特徴があるものの日本のGDP構成はドイツ、フランス、カナダと比較的GDP構成が似通っていることが伺えます。

一人当たりGDPから見る日本の生産性

また、一人当たりのGDP(表2)では日本のそれが平成28年(2016年)時点では上から29番目、イスラエルやアラブ首長国連邦と同等程度となっています。昨今叫ばれている働き方改革を含めて、世界各国との競争の中でどのように生産性を維持し、向上させていくのかが問われています。

尚、GDPには統計上の様々な課題が指摘されていることから、あくまでご参考としてご覧いただければ幸いです。

河井 稔夫

アクセンチュア、日本駐車場開発、フロンティア・マネジメントにて、製造業を中心に幅広い業種、ならびに大企業から中堅・中小企業・商店街まで、様々なステージにおける業務改革及び経営管理体制の構築、経営計画策定支援からITプロジェクトまで実績多数。オペレーション分野の強みを生かした営業企画及び業務生産性向上プロジェクト、組織変革、ならびにシステム設計・構築による成果に貢献した経験を活かし、TRAIL INC.に参画。

 

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